新型コロナウイルスの脅威によって、開発途上国で他の多くの疫病を予防するためのワクチン接種の取り組みが休止状態に追い込まれている。このため、最も貧しい国々で、他の疫病の患者が急増するとの懸念が高まっている。現在、経済活動が遮断され、ソーシャルディスタンス(対人距離)の確保措置が実施されている開発途上諸国では、保健医療サービス機関がポリオ(小児まひ)、はしかなど致死率の高い病気のワクチンを大規模に接種するキャンペーンを一時停止している。こうしたキャンペーンが新型コロナウイルスを拡散させる恐れがあると、世界保健機関(WHO)が警告しているためだ。世界ポリオ根絶計画に基づくすべてのワクチン接種活動は、現在停止している。この活動は、ポリオ根絶を目指した何十年にもわたる取り組みの一翼を担ってきた。病院やクリニックで行われることの多い日常的なワクチン接種プログラムも、阻害、停止されている。専門家らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から命を守るための都市封鎖によって、開発途上国で他の病気による患者、死者が何倍にも増える可能性を懸念している。
新型コロナとの戦い、他の疫病対応を後回しに
ポリオやはしかのワクチン接種停止、貧困国での流行懸念高める
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