エアビーアンドビー(以下エアビー)にとって、2020年は何もかもがうまくいく年になるはずだった。  もっともホットなIPO案件として株式市場デビューを飾り、評価額は500億ドルを超え、今年末に満期を迎えるストックオプションを手にした何百人もの社員に富をもたらす。  また今に至るまでIPOのタイミングを保留してきたブライアン・チェスキーCEOの判断が正しかったことを証明する――。  しかし、新型コロナウイルスのパンデミックによって、これらのシナリオのすべてが、ほぼ実現不可能なものとなり果てた。