アリシア・クックさん(41)の手元にはとうとう22ドル(約2400円)しかなくなった。宴会料理長を務めるテキサス州のホテルから勤務時間をほぼゼロに減らされたのは約1カ月前のことだ。クックさんの時給10.25ドルは、なんとか暮らしていける水準だが、貯蓄に回す余裕はない。復活祭に数時間勤務したことで100ドルを手にしたクックさんだが、「20ドル札5枚うち、4枚は電気代に消えていく」と話す。米国では、新型コロナウイルス流行による都市封鎖を受けて、空前の低失業率と好調な経済成長の時代が終わりを迎えた。だがクックさんのように、米国民の多くはそれ以前の段階から、貯蓄がほとんど、または全くない状況に置かれている。
コロナの痛み、「貯蓄ゼロ」の米低所得層を直撃
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