この私のかつての知人とは別に、比較的若く30代後半の高収入男性にも、同じような物言いをする人がいた。

「俺に寄ってくる女って、贅沢が好きなわりに本当に良いものは知らないし、化粧品と服のことしか考えてないし、つまらないんだよね」と。

 なるほど贅沢が好きな女は、年下や同い年の男性よりも、そのあたりに詳しい年上男性との関係を望む場合は多いだろう。そこに、彼の需要があるのだ。童貞の貞操を奪いたい、という考えの女性が彼を狙うことはない。

 つまらない、と感じる原因は、女性からの需要の中でいかに楽しむか考えることを放棄した自分にあると考えるべきだ。

 例えば、巨乳の女には、巨乳好きの男性たちが寄ってくる。それでも巨乳の女が、その中で唯一寄ってきた巨乳に興味のない男性を選ぶもよし、巨乳好きと寝て思う存分ありがたがられるのを微笑ましいと感じるのもまたよしである。

 だが、もし巨乳の女が彼らを「巨乳好きでしかない」と断定すれば、それはつまり「自分には巨乳しか魅力がない」と断定することであり、それでは十分に恋愛を楽しむことができないだろう。

 先述の30代後半の知人男性もこれと同じである。

 派手な生活をする彼に寄ってくる彼女たちを「贅沢好きでしかない」と断定して、つまらないと不平を言う彼は、裏を返せば、自分には「贅沢をさせることしか取り柄がない」と言っているわけで、その自分の自信のなさや不甲斐なさを、相手となる女性を見下すことで揉み消そうとすれば、それは嫌われるに値する。

 女は奢り方やお金の使い方、そしてお金を使っていない時の態度から敏感にそういったつまらないコンプレックスを感じ取るし、コンプレックスを誤魔化すための人を見下した思考を感じ取っている。