新型コロナウイルスのニュースではいろんな数字が出てくる。その数字の意味を理解しておくと、ニュースをどうとらえればいいか、わかるようになる。数字を理解する訓練をしておくと、普段のビジネスにも役立つはずだ。(サイエンスライター 島田祥輔)

緊急事態宣言の効果が出るのは
2~3週間後

会見する小池百合子・東京都知事
数字自体だけでなく、その数字が出てきた背景も含めた読み方をしないと、とんでもない誤解をしてしまう恐れがある Photo:JIJI

 4月7日、7都府県に緊急事態宣言が発令された。翌8日、東京都の新型コロナウイルスの感染確認数は144人、9日には181人と感染拡大は続いた。この事実をもとに「緊急事態宣言が出たにもかかわらず感染拡大に歯止めがかかっていない」という発言をいくつかのメディアで見かけたが、このロジックは正しくない。

 新型コロナウイルスは、症状が出ない潜伏期間が1~14日間と見積もられている。半数は5日間以内に症状が出るが、感染拡大を防ぐため、症状が出ても様子を見る条件の1つに「37.5度以上の熱が4日間続く」がある。それから病院を受診して医師が検査の必要を判断し、実際に検査を受けて結果が出るまでさらに時間がかかる。つまり、現在の感染確認数は「2~3週間前の私たちの行動」の結果といえる。

 何か対策をやったらすぐにその効果を判断したくなるが、効果が出るまでのタイムラグを把握しておかないと、いつ評価して対策を変えればいいかわからなくなってしまう。ビジネスでも、あるキャンペーンを打ったとして、即日効果が出るとは限らないだろう。キャンペーンの周知期間、口コミの広がり、実際の商品購入、そして販売店からデータが上がるまでのタイムラグを考える必要がある。新型コロナウイルスの場合、対策実施から効果が出るまでのタイムラグが2~3週間だ。