コロナ禍であぶり出される国際社会の諸問題
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新型コロナウイルスの感染拡大が
世界的な混乱を招いている

 新型コロナウイルスの感染拡大によって世界的に大混乱が発生している。その混乱が、これまで国際社会が抱えてきた多くの問題や無理の一部を顕在化している。コロナショックがトリガー(引き金)となり、グローバル化の「負の側面」を浮き彫りにしていることだ。

 その一つに、通商を中心とする米中の覇権争いがある。本年1月に両国は第1段階の通商合意に至ったが、感染をめぐり互いの批判が激化している。トランプ大統領が中国の影響力が強まっているWHOへの資金拠出停止を表明したのは、その象徴的な出来事といえる。

 今後、米中の対立はより激化する恐れがある。それによって、これまでの国際社会のグローバル化に対する反動はさらに勢いがつくことになるだろう。

 世界の経済・金融市場は大きく混乱せざるを得ないとみられる。

 また、コロナショックが引き金となって、欧米や新興国では医療体制の不備や、低所得層が医療サービスにアクセスできないことが浮き彫りとなった。それは人々の不安心理をかき立て社会心理は悪化している。グローバル化を前提にした経済・社会の運営にはかなりの支障が出始めたと考えるべきだ。