米ニューヨーク州看護師協会は20日、危険な労働ガイドラインや防護用品の不足により新型コロナウイルスの感染拡大を助長したとして、州と2病院を相手取り計3件の訴訟を起こした。同協会は州最大の看護師労働組合。N95マスクや医療用ガウンなどの安全装備を十分確保しなかったとして、ニューヨーク州最高裁判所で州保健局を提訴した。会員4万2000人を擁する同協会によると、州保健局が体調を崩した看護師に尚早な職務復帰を迫ったことで病院は「培養皿」と化し、市民をリスクにさらす結果となった。このほかモンテフィオーリ・メディカル・センターと、ウエストチェスター・メディカルセンターを保有するウエストチェスター・カウンティー・ヘルスケアも提訴。同協会は病院を「戦場」と呼び、両施設は装備を制限し、マスクの適合性を検査せず、新型コロナ患者の入院病棟での適切な換気を怠ったと主張した。