日本は少しずつ、確実に貧しくなっています。それでも平成の時代は昭和の遺産を食いつぶすように生きながらえることが出来ました。しかし、令和の時代はますます厳しさが増していくことは間違いありません。今はコロナのことで皆さん頭がいっぱいになっていますが、この危機が去った時にどんな経済状況が待っているのか。それを考えるとゾッとします。
日本人の貧困化を食い止めるにはどんな方法があるのか?
その一つは、一人ひとりが「投資家の思想」を持つことだと思います。これまで多くの日本人は「労働者の思想」しか持っていませんでした。しかしその思想では、もう未来がないのです。
「投資家の思想」こそが日本の未来を切り開くと私は信じています。少なくとも、その思想を持てた人は、生き残ることが出来ます。
投資をすることがビジネスパーソンとしていかに大事であるかということを知っていただきたいと思い、私は『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』(ダイヤモンド社、5月27日発売)という本を書きました。ここで言う投資とは、チャートとにらめっこして売り買いを繰り返すことではありません。それは「投資」ではなく「投機」です。ギャンブルとなんら変わりありません。私が言う「投資」とは、もっと大局的でビジネスの本質に関わるものです。
投資で成功するために
重要なのは「総合力」
誰もがいつかは必ずなんらかの形で働くことになります。自動車メーカー、各種部品メーカー、建設会社、金融機関、飲食業、その他のサービス業、通信会社など、さまざまな会社があって、そのいずれかに所属して働く人もいますし、なかには自分で会社を興す人もいますが、いずれにしても働くことによってお金を稼ぎ、稼いだお金で生活します。当然、より多くのお金を稼げる人は、その分だけ豊かな暮らしをすることが出来ます。
では、どうすればビジネスの世界で成功できるのでしょうか。その答えの一つが、「投資」にあるのです。
投資で成功するために重要なのは「総合力」です。総合力とは、バラバラになっているものを一つにまとめ上げる力のことです。
小学校、中学校、高校までの勉強は、すべてが縦割りのカリキュラムになっています。国語、数学、地理、歴史、公民、物理、化学、英語、というように科目が分かれていて、地理だったらひたすら地理、歴史だったらひたすら歴史の勉強だけをします。
しかし、社会人になってから必要になるのは、一つひとつの教科の知識ではありません。
それまで学んできた各科目を組み合わせる能力です。