一流大学を出て大手企業に就職、
その後落語家になった著者
オギャーと産まれ、人は学校や家庭や世の中などから色々なことを学んでいきます。若いってことは美しいもので「君たちはどう生きるか」なんてことを懸命に考えながら、成長していきます。それはまるで、地球に就職しているような時期です。
やがて企業に就職すると、視野は一気に狭くなり、経済的な価値が頭の中心を占めるようになります。そんな時期を長らく過ごして定年退職すると、ほんの少しのあいだ地球に再就職し地域貢献などをして、最終的には文字通り土に還っていくわけです。
でも最近はすっかり定年後の期間が長くなり、新しい生き方を模索するようになりました。これがいま流行の「LIFE SHIFT」です。しかしながら、生い先はさほど長くないわけですから、経済的な成功を求めるという生き方はしっくりきません。宵越しの銭がある、という安心感さえあれば良いのです。
そろそろ、本題に入りましょう。この本『ビジネスエリートがなぜか身につけている 教養としての落語』は、一流大学を出て大手企業に就職、その後落語家になった著者が書いた落語の入門書です。この本を読むまで私と落語のつきあいは、時々人に誘われて寄席にいき、その場で笑って「はい、それまでよ」というものでした。