――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
***
新型コロナウイルスが世界の経済成長に大きな打撃をもたらしていることを受け、日銀は27日、新たに一連の施策を発表した。残念ながら、施策が新しいのは見た目だけで、中身は使い古されている。
低成長と低インフレに打ち勝つために日銀が試行錯誤し始めたのは相当以前のことで、日本は金融政策の最前線に立つことが多い。だが、日銀による今週の決定が示すのは、世界の中央銀行の政策ツールを拡充するだけでなく、財政と金融双方の政策担当者が想像力を働かせなければならないということだ。
日銀は制限なしに日本国債を購入する方針を明らかにした。それはかつてなら、大型刺激策への信頼のおけるコミットメントとみられたかもしれない施策だ。
だが日銀は、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の枠組みを変更しておらず、10年物国債金利は目下、日銀が目指す範囲内にとどまっている。どうしてさらに多くの国債が購入されるのかは謎だ。