――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
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遠隔会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのエリック・ユアン最高経営責任者(CEO)は近ごろ多忙だろうが、時間を見つけて米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOに感謝状を書くことを検討すべきだ。
フェイスブックの共同創業者であるザッカーバーグ氏は24日、新たな動画チャット機能「メッセンジャー・ルーム」を導入すると明らかにした。フェイスブックのユーザーは最大50人まで動画チャットに参加できる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でズームが一躍有名になった市場をまさにターゲットとしているようだ。
同氏のこの発表を受け、ズームの株価は同日の取引で6%下落したが、翌営業日の27日には下落分の一部を取り戻した。同社株は年初来、142%上昇している。
1日当たりのサービス利用者(デイリーアクティブユーザー、DAU)が16億人超というフェイスブックの巨大なユーザー基盤が、当初はルームにとってけん引力となるのは間違いない。だからといって、ズームが危惧しているように、フェイスブックがビデオ会議ビジネスで大成功を収めることを意味するわけではない。