生中継の「副作用」で
コールセンターへ相談が殺到

 あんな切ない映像を見せられれば、大多数の人は恐怖で頭がいっぱいになる。「同じくらいの年齢の自分も、ああなってしまうかもしれない」「そういえば昨夜から熱が下がらない、もしかしたらコロナかも?」――。そんな軽いパニックに陥った人はどうするか。決まっている。医療機関に押し寄せるか、保健所に電話をしまくってどうにかPCR検査を受けたいと訴えるか、自治体に相談をするかだ。

 実際に、それがうかがえるデータがある。横浜市の電話相談窓口(4月26日時点)の週別相談件数を見ると、4月12日までは2000件以下、13日から19日の週は2640件と推移していたのだが、4月20日から26日の週になると、いきなり1718件も急増して4358件にはねあがっている。

 また、政府の新型コロナウィルス感染症対策本部(第32回)に提出された厚労省資料によれば、全国527施設に設置された帰国者・接触者相談センターの4月26日17時点の相談件数は「前日比2万345件増加」となっている。

 23日の訃報からテレビで連日のように繰り返されている“岡江さん報道”に不安を刺激された人々が、全国の医療機関や自治体の相談窓口に押し寄せている可能性があるのだ。

「そんなのは貴様の妄想だ!」「ジャーナリズムを侮辱するのか」と怒り狂うマスコミ関係者も多くいらっしゃると思うが、テレビの衝撃映像によって人々がパニックに陥ることを我々はつい最近も目の当たりにしている。そう、トイレットペーパーパニックだ。

 市場調査会社のサーベイリサーチセンターが全国の4700人を対象に「トイレットペーパーが不足する」とのうわさを最初に知った情報源が何かと質問をしたところ、「テレビ」と回答した人が最も多く、46.7%を占めた。つまり、発端はSNSのデマだったが、その後、スーパーやドラッグストアにできた長蛇の列や、空になった商品棚をテレビが繰り返し流したことで、善良な市民たちをパニックに陥らせて、「他人を押しのけても買い溜めをする迷惑客」に豹変させてしまったというわけだ。