世界経済が急回復するという最善のシナリオの中にも、航空業界が急回復するシナリオはない。英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は最大で1万2000人(約30%)を削減する見込みだ。親会社のインターナショナル・コンソリデーテッド・エアラインズ・グループ(IAG)が28日、1-3月期(第1四半期)決算の速報値を発表した際に明らかにした。損失は大きかったが、同社が発表したキャッシュの水準は健全であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のロックダウン期間を乗り切れるかとの懸念は払しょくされるはずだ。しかし、問題がある。航空業界で現在進んでいる規模縮小は、渡航禁止に対応するための緊急の動きではなく、今後何年も続くだろう需要低迷に対する恒久的な反応なのだ。