資本家にとってうれしい知らせとなる株式市場のメッセージと、大恐慌以来のひどい景気低迷の乖離(かいり)は目に余る。投資家は恐ろしい間違いを犯しているのだろうか。3月23日の安値からの34%の反発は新たな強気相場の始まりか。それとも弱気相場が到来した時には皆が忘れているような「デッド・キャット・バウンス」(急激な株価下落後の一時的な小幅回復)なのか。まず私は、投資家が急速なV字回復(ありそうに見えない)を確信しつつあるのであれば、反発の規模について懸念するだろう。それに、投資家が、企業が直面するサバイバルのリスクについて楽観的すぎるとすれば心配だ。相場を掘り下げると、どちらにも明確には該当しない。投資家は経済活動停止で最もリスクのある企業を特定しており、やみくもに何でも買っている訳ではない。航空会社、航空機メーカー、クルーズ船運航、住宅ローン関連株、オフィス備品は2~3月の暴落で最も打撃が大きいセクターだった上、回復も遅れている。
米株の上昇、見かけほど理にかなわぬことでない
有料会員限定
あなたにおすすめ