ドナルド・トランプ米政権の複数の高官は、中国が今年に入り米国と結んだ貿易合意を順守すれば、懲罰的な措置を講じることはないと示唆した。米国はこのところ、中国が新型コロナウイルスの感染拡大で対応を誤った疑いがあると指摘し、両国間の緊張が高まっていた。マシュー・ポッティンジャー大統領副補佐官(国家安全保障担当)とスティーブン・ムニューシン財務長官が4日、中国に対するこうした見解を示した。これに先立ちドナルド・トランプ大統領は先週、新型コロナがパンデミック(世界的大流行)となったことを巡り懲罰関税を発動する可能性があると警告するなど、米中が批判の応酬を繰り広げていた。米政権は感染拡大の初期に中国が重要情報を隠ぺいしたと批判。トランプ氏や側近は、パンデミックの発生源が中国・武漢の研究所であることを示す米情報当局の証拠があると主張している。証拠は公表されていない。