世界中で空の便が大量に欠航しているため、各地に生鮮食品や郵便物や製品を送るための料金が上昇している。国際航空運送協会(IATA)のデータによると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前には、航空貨物の半分以上は旅客機が輸送を担っていた。旅客機側から航空貨物に補助金が支払われているような状態で、航空会社は貨物スペースの約3分の1を手紙、小包、商用品に割いていた(業界誌エアクラフト・コマース調べ)。現在は旅客が減り、航空貨物の料金が3倍に跳ね上がるなど急上昇しているため、送り主は届くまでの時間か料金かの二者択一を迫られている。アメリカン航空グループ、ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングス、カンタス航空は、乗客のいない旅客機を使って貨物の国際輸送をしている。ルフトハンザ航空は貨物の輸送能力を引き上げるため、一部の座席を取り払った。エアバスは「A330」型機と「A350」型機を基に、従来の客室部分に貨物パレットを直接搬入できる機材を開発中だ。
旅客機欠航で貨物料金が上昇、送り主のジレンマ
有料会員限定
あなたにおすすめ