新型コロナウイルス感染者数などの
予測方法とは?

 ここで予測の方法を説明する。感染者数は『コロナの統計分析、ダイヤモンド・プリンセス号で分かった7つの教訓』で説明したように、前日の感染者数のb倍で伸びるとする。もちろん、あるところで上昇率は停滞するはずだが、それは同記事で説明した、「感染の爆発とともに抗体を持った人口も増加し、感染爆発は自然と収まる」という恐るべきメカニズムではなく、社会的接触の削減などの方法で食い止めなくてはならない。

 推計結果は、新型コロナウイルスの感染力と人間の阻止する力の綱引きの結果が表れる。以下、感染者数は、

感染者数=a+b×前日の感染者数

を推計することで得られる。

 退院者数は、入院した感染者が自分の免疫力または医学的治療によって時間をおいて退院することから、感染者数に何日かのラグを置くことでから求められるはずである。死亡者数も同様だ。ラグの日数は、試行錯誤により求めた。データは3月18日からの累積の数値であるので、必ずしもラグが必要ない場合もあった。

 すなわち、

退院者数=c+d×感染者(ラグ付き)
死亡者数=e+f×感染者(ラグ付き)

また、定義により

入院者数=感染者数-退院者数-死亡者数

である。

東京の推計結果

 感染者数などの推計は表1のようになった。

 東京では、退院者数が4月19日に一挙に増加しているが、これはホテルに軽症者を移したためである。この影響を考慮するために、退院者数については説明変数に4月19日以降を1とする係数ダミーを追加した。

 上記の結果をグラフにすると図3のようになる。

 感染者が前日の感染者の1.025倍ずつ増加していくことを認めると(3月18日から4月27日までのトレンド)、5月末の東京の感染者数は1万2059人、入院者数は8134人、退院者数は3634人、死者は291人となる。これでは入院者数の爆発的増大に医療が持たない。なんとしてでも感染爆発を抑えなくてはならないのは、指数関数の恐ろしさの故である。