写真:緊急事態宣言の延長会見安倍晋三首相による緊急事態宣言の延長会見を報じるモニター(2020年5月4日、大阪府) Photo:Buddhika Weerasinghe/getty Images

新型コロナウイルスの感染者数(患者数)、入院者数、退院者数、死亡者数は今後どうなるか――。本稿では、統計的分析に基づき、大都市圏を含むいくつかの都道府県でその推計を行った。その中でも特に注目すべきと考えた、東京都と愛知県の推計値の比較に関する論考を中心にお届けする。(名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰)

新型コロナウイルスの感染者数などを
統計的分析に基づき推計

 新型コロナウイルスの感染者数(患者数)、入院者数、退院者数、死亡者数が今後どうなるのかという論点は、日本のみならず世界中で最も盛んに行われている議論の一つだ。そこで本稿では、統計的分析に基づき、大都市圏を含むいくつかの都道府県、特に東京都と愛知県を比較しながら(なぜ東京と愛知かは後述)考えてみたい。

 最初に分析の概要をお伝えすると、東京の感染者数がこれまでのトレンドのままであると、深刻な状態になる。愛知については、最近の低下トレンドを維持できれば、コントロールできる範囲に収まる。そのような推計結果となった。

 どのようにしてそうした結果が導き出されたか、詳しく解説していこう。