新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の中で孤立しているイランは、制裁対象となっている原油や石油精製技術を利用し、米国と敵対するシリアとベネズエラから支持を取り付け金銭的な支援を得ようとしている。3カ国の政府に近い複数の関係者によると、イランは地域での外交的影響力の拡大と引き換えに、売れ残った原油の一部をシリアに提供。またベネズエラに対しては石油精製技術を提供し、代わりに金を受け取っているという。新型コロナ危機のかなり前からイランのエネルギー部門は長年の制裁で打撃を受けていた。ドナルド・トランプ大統領が約2年前に対イラン制裁を再び発動して以降、イランとの国際的な取引は非常に有害なものとみなされてきた。最近では、世界的な石油需要の急減、原油価格の急落、深刻な新型コロナ流行が相まって、イランは自国の比較的割安な原油を利用できなくなっている。
イラン、反米勢力取り込みに原油利用 コロナ禍で
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