【イスタンブール】新型コロナウイルスによる打撃が及ぶ何カ月も前から、トルコは通貨リラの下落に歯止めをかけるため、巨額の外貨準備をつぎ込み、通貨危機をなんとか回避しようとしていた。  だがコロナの感染拡大により、トルコは目下、全面的な対外収支の危機に直面。18年にわたり君臨しているレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は、ここにきて大きな試練を迎えている。  国内では、コロナ禍で失業が急増し、インフレはほぼ制御不能に陥っている。また自動車や繊維といった輸出品の主要市場である欧州連合(EU)では、封鎖措置がまだ全面解除されておらず、トルコも他の新興国と同様に打撃を受けている。