職場に復帰したあなたは、こんな光景を目にするだろう。社内カフェテリアは休業中、コーヒーメーカーは電源が切られ、デスクはプラスチックのついたてで仕切られている――。
新型コロナウイルス時代に突入し、オフィスライフのあらゆる面が再考されつつある。人材会社や不動産会社の幹部らは、米国の従業員が職場に復帰するころには、多くのオフィスが様変わりしているだろうと語る。
エレベーターの定員はたった1人になるかもしれない。これまでオープンフロア設計できっちり詰められていたデスクは距離を置いた配置になり、プラスチックの仕切りで囲われ、椅子にはウイルス対策の使い捨てパッドが敷かれるだろう。高給取りのホワイトカラー従業員のオフィス環境として象徴的だったビールバーやスナックバー、コーヒーカウンター、立派なジムやシャワー室は、新型コロナの感染拡大を防ぐために閉鎖が続きそうだ。ウイルスの脅威がなくなるまでは、そうした変化の多くがなくなることもないだろう。
オフィスのコロナ対応は、同僚との敷居を取り払って狭いスペースに従業員を押し込めてきた米企業の長年の取り組みを逆回転させるものだ。企業はかつて多額を投じてオフィスを改装し、オープンデスクを並べたり、こぢんまりした会議室やラウンジを設置したりした。今やそうした設計は問題になると企業幹部は指摘する。