「今は、お小遣いやお年玉も『○○Pay』などを使い、ネット上の送金で済ませる家庭も増えています。幼いころから現金ではなくキャッシュレスに慣れ親しんで成長してきた世代は、余計に『お金を使っている感覚』が希薄。細かいことを確認せずに決済してしまう傾向が強いため、標的にされやすいようです」

 こうした詐欺の被害者にならないために、どのような対策をするといいのだろうか。

「基本的ですが、どんなキャッシュレス詐欺の事例があるのかを知り、知識を身に付けることが、最も重要だと思います。また、少しでも疑問や違和感を覚えることがあれば、その情報の真偽をきちんと調べてみてください」

 ごく基本的な対策しかないが、裏を返せば、ごく当たり前の危機感を忘れなければ、サイバー犯罪に巻き込まれることは少ないということだ。もし、我が子がキャッシュレス決済を頻繁に使っているようであれば、「こんな事件があるみたいだから気をつけてね」「利用通知や明細はこまめに確認するように」と、注意喚起をしてあげると良いだろう。

事業者側の
セキュリティー強化に期待

 清水氏いわく「とはいえ、そこまで心配はいらないと思いますよ」とのこと。理由は明快で、サービス提供側がセキュリティーを強化してくれるからだ。

「安全なサービスしか利用されないことは、提供側が一番理解しています。今はキャッシュレスサービスが乱立しているからこそ、セールスポイントの1つとして、ほとんどのサービスがセキュリティー面の強化に力を入れています」

 どれだけ安全性が高まろうと、抜け穴を見つけて悪事を働く犯罪者がいなくなるわけではない。しかし、サービス側もそれを理解したうえで、補償サービスもより充実させてくれるはずなので、過剰に心配する必要はないという。

「どんなサービスでも不正利用があれば、その操作をキャンセルするよう動いてくれるはずです。ですから、もしも被害に遭ってしまった場合は、まずサービス元へ問い合わせてみてください。可能性は低いとは思いますが、万が一そこで納得のいく対応をしてもらえなかったときは、警察へ相談するといいでしょう」

 冗談のようだが、普段何も気にせずにキャッシュレス決済を利用している人は、不正利用があっても気づかないことがあるという。さらに、利用明細に疑わしい内容があっても、「まあ、こんな買い物をした気もするな」と、スルーしてしまうこともあるとか。ボタン1つで済むとはいえ、所持金を失っている実感は決してなくしてはいけない。