今年3月に市場で発生した過去最速の弱気相場入りを受け、投資家の間ではパニックが広がった。それに比べれば先週起きた下落は、はるかに地味なものだが、依然として懸念されるものだろう。先進国の株式で構成するMSCIワールドインデックスは3月20日までの週以来の下落率となった。ロックダウン(都市封鎖)を解除しても、世界経済への打撃に終止符が打たれるわけではなさそうな兆候が強まっているためだ。欧州指数は一段と不調に陥っている。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなど、買い物や仕事のオンライン移行に恩恵を受けるハイテク大手が構成銘柄にないことが一因だ。だが、米市場でさえ信頼感は低迷し、S&P500種指数に採用されていない小型株では特にそれが顕著だ。小型株の指標であるラッセル2000種指数は先週に入り7%下落した。