ダイヤモンド決算報Photo by Takahiro Tanoue

三井住友FGが最終利益で初めて首位奪取
最大手の三菱UFJFGを苦しめた海外出資の誤算

「切磋琢磨はいいと思うが、グループによって事業ポートフォリオも戦略もコーポレートカルチャーも違う。単純な比較は意味がなく、毎年の(決算での)『勝った・負けた』はそれほど意識していない。ただ、私たちが進むべき方向性は相当程度見えてきた」――。

 5月15日の電話会見の場で、メガバンクグループ同士の競争について問われた三井住友フィナンシャルグループ(FG)の太田純社長は、こんな考えを示した。数字上の競争については無関心を装う一方で、グループ内に対しては「勝ってかぶとの緒を締めよ」とのメッセージを発したとも受け取れる。

 この発言の背景にあるのが、3メガバンクグループで起こった順位の変動だ。同日発表された3社の2020年3月期決算は、当期純利益(最終利益)で三井住友FGが初めて最大手の三菱UFJFGを上回った。