北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が数週間にわたって姿を消したことで、その所在と健康状態について疑念が広がった。そして彼が再び人々の前に現れる機会として選んだのは、肥料工場の視察だった。韓国の当局者や北朝鮮問題専門家らによれば、この選定は偶然ではない。これは、世界が金氏に注視する度合いに比べ、金氏が世界に関心を払う度合いがずっと低いことを示唆している。北朝鮮国内で、彼が対処すべき問題が山積しているのだ。中国の通関統計を元にした韓国政府の推定によれば、北朝鮮は、主要な支援者であり貿易相手である中国との国境を閉鎖したことによって、経済面で圧迫されている。パニック買いにより、食料供給に支障が出ている。新型コロナウイルスの脅威が依然続いているため、北朝鮮は通常以上に世界から切り離され、孤立している。米国との核交渉は棚上げ状態のままであり、制裁が緩和される可能性は極めて小さい。
消えた金正恩氏、国際問題より国内に注力
経済とコロナの苦境で対処すべき課題が山積
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