ネガティブな親のもとから一刻も早く離れたかった――。親の何気ないひと言こそが、子どもの自己肯定感を育ても、傷つけもする。日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の続編『人生は期待ゼロがうまくいく』の発売を記念した本記事では、ライターの有山千春氏に、「言葉と自己肯定感」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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「わがまま」
「神経質」
「流されやすい」
とにかく一刻も早く実家を出たかった。ネガティブな言葉しか言わない親の下から、一刻も早く離れたかった。
自分の意見を伝えれば「わがまま」と言われ、整理整頓していると「神経質」と一蹴され、友達との約束を優先していたら「流されやすい」と言われ……。よくもまあすべてにネガティブな言葉で返せるなあと、逆にその頭の回転に感心するほどだった。
でも――。
ふと立ち止まる。いま小学生の育児をしている自分はどうだろうか。同じような受け答えをしてはいないだろうか、と立ち止まると、まんまとネガティブ返しをしてしまっているのだ。
気づくたびに「おっといけない」とばかりにポジティブ返しをしているが、そのわざとらしさが子どもにバレてはいないだろうか。
「気にしすぎ」はNGワード
「最高の一日が一生続く106の習慣」を綴ったベストセラー『人生は「気分」が10割』には、「『心を傷つける言葉』を『心をあたためる言葉』にする」というトピックがある。
「おまえに得意なことなんてあるのか?」
「気にしすぎだよ」
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より
いずれ劣らぬ悪口でしかない。ここで「心を傷つける言葉」とはっきり定義づけてくれて初めて、自分は傷ついていたのだと気づくことができる。
さらにこれらの言葉は「心をあたためる言葉」に変換できるという。
「成功だけがすごいんじゃない。キミが努力してきたこと自体がすごいんだ」
「共感力が高いんだね。キミの長所のひとつだよ」
――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』より
同じことに言及しているのに、真逆の影響力を持つ言葉。余裕のない育児中だが、子供の将来にまで影響を及ぼすことは自分が身を以て知っている。
小言が口をつくのを一瞬こらえ、あたたかい言葉に変換することができれば、双方ストレスのない毎日を過ごせるのだ。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
メーカー広報、出版社編集者を経て2012年よりフリーライターに。主に週刊誌やWEBメディアで取材記事やインタビュー記事を執筆。昨年より高田馬場の老舗バーにてお手伝い中。



