そのもどかしい緊張状態を解くベストの方法は、なんといっても語り合うことです。
スポーツバーやパブなどで、ビールなどを飲みながらみんなでスポーツ観戦をするのは、スポーツ鑑賞法として理にかなっています。
こういった場では、ワンプレーごとにお互いに感想をアウトプットし合います。
「おっ、行け行け! やったー!」
「あーっ、何やってんだよ! まったく」
「うまい! やっぱりセンスあるなあ」
こんなふうに思ったことを口にしながら、誰もがストレスや緊張感を解いて、気持ちを落ち着かせています。
ひいきの選手やチームが勝利したときに、お互いに興奮を分かち合うのは、とてつもない快感です。
反対に、どうしようもなく退屈なゲームを観たときに、やり場のない感情を吐き出す相手がいれば救われます。
「まったく、こんなふがいない試合をして恥ずかしくないのかな」
「ないよね、あれは。ひどすぎる」
などと言いながらも、上手にストレスを解消しているのです。
そう考えると、実はアウトプットは感情コントロールにも非常に有効だと考えられます。
精神医学者の本を読むと、精神病を患っている人には、自分の話を他人に聴いてもらえない状況にある人が多いのだそうです。だから、カウンセラーと対面すると、一方的にしゃべりまくる人も多く、しゃべっているうちに精神が安定してくるケースが多々あるといいます。
自分の気持ちを話すことができない、聞いてもらえない状態は、誰にとっても大きなストレスなのです。
もちろん、読書は1人ですることですし、いつも友人とスポーツ観戦できるとも限りません。
私も夜中にテレビでサッカー中継を観ることがよくありますが、近くにいる家人とサッカーの話で盛り上がるわけでもありません。