急な下痢,便秘,過敏性腸症候群,森田療法
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受験当日の朝や大切な会議の前など、日常生活で急にお腹が痛くなって下痢をしたり、逆に便秘が続いたり、また下痢と便秘が交互にみられたりという病気を過敏性腸症候群(Irritable Bowel Syndrome:IBS)といいます。第5回は、慢性、難治化した下痢と便秘に「森田療法的アプローチ」を実践し効果をあげている、伊藤克人先生にお話を伺います。(談/東急病院健康管理センター所長 伊藤克人、構成/医療・健康コミュニケーター 高橋 誠)

下痢がつらくて、会議が怖い
20代後半会社員男性の相談

 繰り返す下痢の改善に、森田療法(以下“MORITA”)を行った20代後半の男性(会社員)Aさんの事例をご紹介します。

 高校生のころから、試験前や体育祭などの学校行事の当日に下痢をすることが、よく見られました。普段は落ち着いているため、自分は元々お腹が弱い体質と捉えていました。

 大学を卒業後、調味料メーカーで働いています。もともと神経質で完全主義、周囲と良い関係でありたいという気持ちも強く、職場では仕事も人間関係も順調でした。森田正馬の言う「生の欲望」(注:よりよく生きたいという人間の自己保存・自己実現の欲望)の強い方であることが分かります。