投資対効果の検証を通して実行レベルを上げる

村上:こうした点を踏まえ、売上・利益の基本的な数値をつくった上で、研究開発費や営業費用、広告宣伝費などの各種固定費・投資を考慮に入れて、本当に妥当な売上とコストの想定なのか、本当に利益が創出できるのかは、最後に検証したほうがいいでしょうね。

朝倉:投下したコストに関する投資対効果を説明する必要があります。

村上:はい。CAC(顧客獲得単価)やLTV(顧客生涯価値)が測れるような広告の費用対効果は、比較的測定しやすいでしょう。こうした項目以外でも、個別の投資に対しての費用対効果を検証していくことが出来れば、これはもう事業計画策定としては「精緻化」の段階と言えるでしょう。投資対効果が可視化できていれば、投資が柔軟に、スピード感を持って実施しやすくなります。

朝倉:今回は3Cに沿って、Customer、Competitor、Companyという3つの視点から事業計画の検算ポイントについて考えました。ここで挙げた観点は、外部からは当然質問されることなので、きちんと自信を持って答えられるように準備しておく必要があります。こういったところに、事業計画の精度の高さや解像度の細かさが表れると感じます。

外部からのQ&Aを何度もシミュレーションし、検算を重ねていくことができれば、より頑強で説得力のある事業計画が策定できると思います。

*本記事はVoicyの放送を加筆修正し(ライター:代麻理子 編集:正田彩佳)、signifiant style 2020/3/15に掲載した内容です。