上下階の騒音トラブル、ゴミ置き場の清掃問題、大雨による浸水、欠陥工事、管理費等の値上げ、大地震の被害……。分譲マンションに住む人にとって、悩みや不安はつきません。
さらに、新型コロナウイルスによる外出自粛で在宅勤務になり住環境の重要性に気づいた人も多いことでしょう。
『マンション管理はこうして見直しなさい』では、「うちのマンションは大丈夫だろうか?」と感じている多くの人に向けて、マンション管理のプロである著者が、イライラや不安、疑問などの問題をわかりやすく整理して、解説。
今回は、「管理委託費の金額に目安」について。項目別に、市場の相場と比較してみましょう。市場の相場は他社から見積りをとったり、コンサルティング会社に聞くと分かります。

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市場の競争価格と比較する

 管理会社に毎月、定額で支払うのが「管理委託費」です。その金額は、管理費会計からの支出の7割程度を占めます(ほかは共用部分の電気代、水道代、小修繕工事など)。

 その内訳を見ると、91ページのように大きくは4つの大項目の費用があり、さらに細かい項目に分かれます。

 例えば、「事務管理業務費」という大項目があります。ここには担当者のほか本社や支店の専門スタッフの人件費、各種システムのコストが含まれます。しかし、通常は合計で月額いくらとしか表示されません。中身がブラックボックスになりやすく、他社との比較などによって適正かどうかを判断するとよいでしょう。

「建物・設備管理業務費」は専門業者に外注する項目が多く、中でもエレベーターや機械式駐車場の点検費は金額に幅があります。なぜなら、保守点検業務を行う会社には装置のメーカーやその系列会社と、独立系の保守点検会社があります。メーカーやその系列会社は安心感がある一方、金額は高くなりがちです。独立系でも現在、一般的な装置であれば業務品質に差はほとんどなく、コストを重視するなら有力な選択肢でしょう。

 マンションにはほかにも消防や給水、変電などさまざまな設備があり、保守点検が法律で義務付けられているものが少なくありません。法定点検は通常、管理会社を通じて専門業者に頼んでおり、管理会社の手数料がプラスされています。そこで、管理組合が専門業者へ直接発注することで、金額を下げられる可能性があります。植栽管理や定期清掃などについても、管理組合として独自のネットワークを持っている場合、直接契約が可能かもしれません。

 なお、私たちのこれまでの経験や情報をもとに、主な管理業務について目安金額を図表43に示しましたので、参考にしてください。

(本原稿は、ソーシャルジャジメントシステム編、廣田晃崇著『マンション管理はこうして見直しなさい[新版]』からの抜粋です)