会社を買って経営者になった人が何人もいますし、残念ながら失敗した人もいます。中には買った会社をバリューアップして売却した人まで出てきました。この1年半、会社を買うために行動した彼らの実例から、ノウハウに結びつくものをこの本で紹介しています。

とにかく行動あるのみ!
時代は変わりつつある

 たしかに会社を買うことにはリスクはあります。ただ、これからの時代、サラリーマンという立場にこれまでと同じような安定が見込めるとは思えません。安定の代名詞だった銀行がどんどん人を減らしています。すでに潮目は変わっているのです。

 サラリーマンであることもリスク、会社を買うこともリスクなら、そのリスクとリターン(メリット)の比較衡量をしてみればいいでしょう。今回の新刊を読めば、会社を買うことのメリットがわかってくるでしょう。

 サロンメンバーのほとんどはサラリーマンをしながら個人M&Aを進めています。サロンのモットーは「Just Do It」──行動あるのみです。

 とにかく行動をして、買いたい会社を探して交渉を進め、最後に、本当にリスクを取って会社を買うのかどうかを決める。それでいいと思います。

 2017年5月に講談社のネットメディア「現代ビジネス」で「大廃業時代を救うには、サラリーマンが会社を買えばいい」と提言して間もなくは、サラリーマン(個人)が会社を買えるわけがないと非難轟々の嵐でした。

 そのような批判に反論すべく書籍の刊行を重ね、サロンを開設していくことで、実際にサラリーマンが会社を買う流れができ上がりました。

 この間、国も「第三者承継支援総合パッケージ」なるものを発表し、「ベンチャー型事業承継枠」といった個人が会社を買うことを前提とした補助金まで準備することになりました。

 転職(就職)や起業とは別の「会社を買う」というもうひとつの道です。これまでの私の本で「会社を買う」ことを考え始めたみなさんが、今回の本を片手に「行動」を始めることを願っています。「会社を買う」という道を歩むための方法がくっきりとわかるはずです。