――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は2014年、化石燃料からの二酸化炭素(CO2)排出量が増加の一途をたどり、2020年に400億トンに達すると予測した。一部のシナリオでは、2050年までにさらに倍近くに増加するとみられていた。  新型コロナウイルスの感染が広がる前でさえ、こうしたシナリオの現実味は薄れていたが、今ではさらに可能性が低くなっている。国際エネルギー機関(IEA)が昨年明らかにした排出量は330億トンだった。