米ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が警官に拘束され死亡した事件を巡る抗議デモは、保守的なテキサス州西部からカリフォルニア州の閑静な郊外まで、全米各地に広がりを見せている。中小の都市でも人々が街頭で平和的または暴力的に、抗議デモを行った。その多くは、過去に警官の残虐な行為に抗議する大規模デモがほとんど起きなかったか、一度もない地域だ。ノースカロライナ州のウェイクフォレスト大学法科大学院の刑事司法プログラム担当ディレクター、カミ・チェイビス氏は「米国が噴火した」と語り、今回の抗議活動は過去のものより激しいと指摘。「今回はコミュニティーの結束の強さが違うと感じる」と話した。人口25万8000人のテキサス州ラボックでは、ベサニー・キャノンさん(25)が抗議デモを主催した。同市は白人が大多数を占め、黒人の比率はわずか8%だ。キャノンさんなど地元民は、ラボックでこれほどの規模の抗議運動が起きたことは記憶にないと語る。ミネアポリスでのジョージ・フロイドさんの死で、警官の行為による死亡事件が多過ぎる一方でほとんど変化がない現状に対する人々の怒りが限界に達したと、キャノンさんは話した。