髪を切らなくても新しい自分になれる!
自宅でサロン級の満足度のセルフテクニック公開

美容室に行かなくても、髪を切らなくても、髪の印象をガラッと変える方法があると言ったら、どうしますか? 切らないほうがかわいくなると言われたらとうでしょう。
InstagramとTikTokのフォロワー数27万人超えの美容師・小西恭平は、初の単行本『あなたは髪を切らなくても変われる』のなかで、美容師でありながら「髪を切らなくても新しい自分になれる」と断言しています。
この連載では、誰でも必ずかわいくなれる、「シンプルなのに、どこかおしゃれ」な髪型を、自宅にいながら自分でつくる方法をお伝えしていきます。

Photo: Adobe Stock

自慢の髪型を女子に全否定された高校時代の僕

 今回は僕が「髪の力」を確信したときのことをお話しします。ちょっと気恥ずかしいですが、僕の人生を変えた、今となっては笑える思い出です。

 僕が高校生だったころ、男もみんなストレートパーマをかけていました。当時、ビジュアル系ロックバンドのGLAYが流行っていた影響で、まゆ毛の間に前髪を垂らし、アルファベットのM字のようにするM字バングが大流行。16歳の僕はそれが最高にイケてるかっこいい髪型だと思って、真似していました。
 ある朝、今はなきMDプレーヤー(当時の音楽再生プレーヤー)でお気に入りのGLAYの曲を聴きながら登校していたときのこと。MDプレーヤーの操作上、イヤホンはしている状態でも音が途切れるタイミングがあります。すると、ちょうど通りすがりの女子高生3人組の声が偶然耳に入ってきました。

「あー、いるよねー。男でストパーかけちゃう、ああいう気持ち悪いヤツ」

 まさか自分が言われているとは思わず、一瞬耳を疑いましたが、まわりを確認しても、僕ひとり。明らかに僕に向けられた悪口でした。かっこいいと思っていたストレートヘアとM字バング。自慢の髪型を全否定された思春期の僕は、非常にショックを受けました。

 ちなみに、当時の僕は髪型へのこだわりが異常に強く、毎朝1時間かけてヘアアイロンを当て、さらさらのストレートヘアを作っていました。思い返せば、その強いこだわりは幼少期から。小学校時代、湿気で前髪が少し浮いたくらいで学校に行きたくないと駄々(だだ)をこね、「雨で髪型がくずれそう」というだけで友達との遊ぶ約束をドタキャンするような中学校時代を過ごしたほどです。美容師になった今でこそ、この強すぎるこだわりは大いに仕事へ生かされていますが……。
 そんな僕に対して向けられた、見知らぬ女の子の辛辣(しんらつ)な言葉。自分では完ぺきだと思っていた髪型を「気持ち悪い」と言われた僕のダメージは想像を絶するものでした。

 大ダメージを食らった僕はどうにもこうにも納得できなかったため、学校には行かず、そのまま当時通っていた地元の美容室に直行。僕の感覚は間違っていないはずだ!と信じ、「僕の髪型って変ですか?」と担当美容師さんに詰めよると、思わぬ答えが返ってきました。

「うん。ずっと思っていたんだけど、小西くんの髪型ちょっと変かもね……」 それはその日、2度目のショックでした。たしかにこれまで担当美容師さんから「こういう髪型ってどう?」と流行りの髪型を提案されたこともありましたが、自分の髪型がいちばん! と自信満々だった僕は、すべての提案を蹴(け)とばし、M字バングストレートを選び続けていました。担当美容師さんの提案を素直に受け入れたことは一度もなかったのです。