たった一度のイメチェンで、髪型も人生も変わった

 自分の感覚を真っ向から否定されたその日、そのまま美容師さんにおまかせカットをお願いしました。僕に似合う髪型にしてください、とだけオーダーし、人生で初めて短髪のツーブロック、ワックスでくしゃくしゃにスタイリングするような今っぽいヘアになった僕。
 ストレートヘアだったころの自分を思うと多少違和感はありましたが、新しい自分との出会いにわくわくしたことを覚えています。

 髪型の変化は僕のまわりの環境をも変化させました。ドキドキしながら新しい髪型で高校に行くと、予想外の高評価。「めっちゃいいね!」「絶対こっちの髪型のほうが似合っているよ!」とクラスメイトみんなに言われ、今まで話したことのなかった女子からも話しかけられるように。友達もたくさん増えましたし、彼女がすぐできました(笑)。あのときの感動は今でも忘れられません。

 当時の髪の変化を分析してみると、ストレートヘアだったときの僕は、顔まわりの毛で顔を隠していたため近寄りがたい印象だったのだと思います。暗く、神経質に見える髪型から一転、顔をスッキリ出したことによって明るく話しかけやすい印象に変化したわけです。

 髪だけでこんなに人生が変わる。もともと髪を触るのが好きだったこともあり、それからは自分に似合う髪型を追求していくようになりました。雑誌を見ては、自分と同じ骨格のモデルを探してスタイリングの練習をする。クラスメイトに「どんな髪型がいいと思う?」とアンケートを取ったこともあります。「こういうタイプの子に好かれたいからこのスタイリングにしよう」などと、自分の力で髪を変える楽しみも見つけました。
 正直、僕はイケメンではありません。でも、自分に似合う髪型を見つけ、印象を変えたことによって、人生を好転させることができたと心から思っています。髪だけで自分自身がこんなに変われた! と実感したおかげで、より髪の変化を楽しめるようになったのです。(次回へ続く)