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2026年1月FOMC(米連邦公開市場委員会)は利下げを見送り、トランプ関税下でも堅調に推移した消費がその理由の一つである。ただ、25年11月の米家計貯蓄率は3.5%と低水準。株高の資産効果による富裕層の消費増だけでなく、K字経済の下で「貯蓄する余裕のない家計」が増えていることがその背景にありそうだ。節約志向が強まればインフレは沈静化し、FRBの利下げ再開と米金利低下がドル円を押し下げ得る。(SMBC日興証券 チーフ為替・外債ストラテジスト 野地 慎)
FRB利下げ停止の既視感
鍵は貯蓄率低下
2026年1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)では政策金利の現状維持が決定され、25年9月から3会合にわたって行われた利下げがいったん止まった格好となっている。
実は、25年1月(1年前)のFOMCでも24年9月より続いていた利下げが停止されており、既視感を覚えるところである。
25年1月について振り返れば、24年夏以降懸念されていた雇用の減速について、サービス業を中心に雇用者数の回復(24年末)が見られたこと、また、24年末にかけて個人消費も堅調に拡大したことなどが利下げ停止の根拠とされたが、今回(26年1月)についてもおおむね同様だ。
トランプ関税によって促された物価高のなかでも、25年後半の実質個人消費支出はプラス圏を維持しており、FRB(米連邦準備制度理事会)は堅調な消費が促す物価高止まりを懸念したものと推察される。
ここで興味深いのは、堅調な消費が観測された25年11月の米家計の貯蓄率(3.5%)である。(図表1参照)
コロナ禍前には5~6%程度で推移しており、その後、コロナ禍における「過剰貯蓄(貯蓄率大幅上昇)」「過剰貯蓄の取り崩し(貯蓄率大幅低下)」を経て、再び5~6%付近まで上昇した。25年初の5%台前半の水準から見ると足元の3.5%というのは相当に低く見える。
実は、24年についても、1月に6%台まで上昇して始まった貯蓄率が、年末に4.3%まで低下しており、家計が貯蓄を減らしながらの消費が景気(雇用)を支えた格好となっている。
次ページでは、貯蓄率低下の背景を検証し、今後のドル円相場の先行きを分析する。








