「どうやって美しさを保つ?」「50代で結婚できる?」「年老いた親をどうする?」「50代で仕事を失ったら」「大人であることのメリット」……など、大人の女性のリアルを綴ってフランスで大人気となったブログを元に生まれた書籍『大人が自分らしく生きるためにずっと知りたかったこと』が、6月3日に発売。化粧品とテクノロジーの進化により、母親世代よりもずっと若く美しくなった今の女性たちですが、アクティブに人生を楽しんでいるように見えて、「みんな言わないけど、本当はどうしてるの?」「これって私だけ?」と密かに気になっていることがたくさんあるはず。この連載では、誰も教えてくれないリアルな恋愛事情と、大人としてのお作法について、著者の体験を元に紹介していきます。物語は、50代独身の著者の恋愛とともに進行――。いい男はどこに? 行方はいかに?!
男友達の彼女は何歳⁉
私が思うに、年齢差の問題が大きくなるのは50代、つまり〈人生のシーズン2〉になってから。男友だちに出会いがあったと知ると、とっさに聞いてしまうのが、「彼女は何歳?」。
このとき、心の中では「同じ世代でありますように!」と願ってる。聞かなければよかったと思わされることもあるけれど。一番嬉しいのは、この返事。
「彼のほうが年下みたいよ」。
50代の男性は、若い女性がお好み?
50代の男性は「愛と平和」がお好き。いいえ、「平和と愛」と言ったほうがいい?
かつてのパートナーとの争いや倦怠期を体験した結果、彼らは気が合って安らげる関係を求めている
虚栄心はおおかたなくなっているし、譲れない線もはっきりしてわかりやすい。離婚して自由を知っているから、同じ過ちだって繰り返さない。
そうはいっても、現実に増えているのは、若い女性と年上の男性の組み合わせ。男は生まれつき威張りたい生き物だから? それとも、生殖本能のなせるわざ? それはちょっとわからない。
年上のパートナーを持つ女性にとって、自分の若さは武器。たいていは優位に立てるし、商品としての価値を与えてくれる。年齢で悩むこともない。だって、いくつになろうと自分のほうが若いのだもの
そのかわり、年をとってよぼよぼになった夫の友人にも愛想よくしなくちゃいけないし、死ぬほど退屈でもにこやかにしていなくてはいけない。時が経つほどに我慢することも増えてくる。
それにしても、「年齢」という、私たちにはどうすることもできないものでパートナーの価値が高まるなんて、やっぱりおかしいような気がする。10歳以上年齢差があるカップルの場合は、男性は若返ったように見えるもの。けれどもそれは、愛が肌や体重に目を見張る効果を与えてくれる初めのうちだけ
それを過ぎると情熱は急速にしぼみ、愛の力は数ヵ月で衰え、数年で消え去って、事態は悪化。日常生活という長いトンネルを進むうちに、外面もつくり笑いもはがれ、ムッシュは息切れしてくる。でも、それを見せるわけにはいかない。
そこで彼は、シワだらけの体にパリッとしたスーツをまとって「気取って」みせる。そう、”ムッシュ気取り”の迷走がスタートするのだ。まず歯を白くし、次に甲状腺再生手術を受け(これについては、友人たちは気づかぬふりをしてくれる)、あげくはボトックス注射で肌をテカテカにする。
時間への勝ち目のない戦いに果敢に挑む男女は、他人から見ると沈みかけた船の割れ目を必死にふさぐような悲壮感に満ちている。年齢差があればあるほど、目に見える努力が必要になって、さらに目も当てられなくなる。
でも、本当に人目を引くのはむしろ妻のほう。といっても、美しいからじゃない。彼女のしぐさや口調、不満げな反応、何気ない言葉に込められた非難が、年月と共にもはや抑えようともしなくなったいら立ちをあらわにするから。この結婚は、彼には誇りを、彼女には充足感を、周囲には羨望を与えてくれるはずだった。それなのにいまや、彼には失望、周囲には同情、そして彼女には、よくて一種の優しさ、悪ければ打算的な執着だけをもたらしてしまった。
白状するわ。年をとった男性が若い妻に見放されるのを見ると、ついつい「いい気味だ」と思ってしまう。もしもその男性が、以前に50代の妻を捨てているならば、なおさらね!
いかがでしたか。ミレーヌ・デクロー著・吉田良子訳の書籍『大人が自分らしく生きるためにずっと知りたかったこと』から、大人の女性の恋愛対象になる男性の見極め方について本の中からエピソードの一部をご紹介しました。ほかにも著者の実体験や、友人たちの大人ならではのパートナー選びのコツについて、フランス人ならではのウィットに富んだ視点を、クスっと笑えるエピソードとともに多数紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね!