「リンリンに辞めるように言いなさい。最近の米国にそんなに良いところなんてあるの?」3月の終わり、10年近くに及んだ北京での生活を整理するため、私が「保存」「寄付」「廃棄」と記された箱に所持品を分けていた時、家族の友人が母にこう言っているのが聞こえてきた。この友人は、私がウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストの他の記者らと共に故郷の国から追放されることになったのを知ったのだ。米国の記者だけが標的にされた。帰化して米国籍を取得していた私はその一人だった。中国政府は米国人記者の国外追放について、米国政府が中国メディアへの規制を強化したことへの対抗措置だとした。中国当局者は「個人的なことではない」と私に言った。だが私にとって、これ以上個人的なことなどない。家族を置き去りにすることを余儀なくされたのだから。また、生まれ育ち、母国と呼んでいる国から報道するという私の夢は、追放によって突然打ち砕かれた。