「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

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「いい会社」でも、安泰ではない

「いい会社に入れば安泰」――
 かつて、会社は私たちの人生を保証してくれる存在だった。

 しかし私たちは気づけば、社会の中へと放り出されている。
 今、求められているのは会社の看板ではなく、自分自身の市場価値だ。変化のスピードがますます加速するこの時代、「キャリアの自律性」なしには、生き抜くことすら難しい。その現実を、私たちはぼんやりと理解している。

「自由だよ」と告げられたその瞬間から、私たちは孤独を背負った。
“選べる自由”ではなく、「選び続けなければならない孤独」を。

「生き方のモデルケース」は増えていない

「どこでも通用する自分にならなければ」
 外資系やコンサルへの転職ブームは、キャリアに迷う時代が生み出した、ひとつの象徴でもある。優秀な同僚。洗練された業務。知的刺激と、成長実感に満ちた日々。焦りに背中を押されて自己投資。資格を取り、スキルを磨き、時間もお金も「自分磨き」に注ぎ込む日々。「ここで鍛えれば、どこでも通用する人材になれる」――そう信じて、あえて厳しい環境に身を投じてきた。

 けれど、ふと立ち止まった瞬間、胸に湧き上がる。
 ――で、私は何になりたいんだっけ?
 キャリアの選択肢が広がったのに、“生き方のモデルケース”は全く増えていない。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)