米高級宝飾品大手ティファニーは、仏高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの足元にも及ばない規模だが、この強力な買い手を出し抜く手腕は見事なものだ。ニューヨーク株式市場に上場するティファニーは9日、2-4月期(第1四半期)の既存店売上高(為替の変動除く)が前年同期比43%減少したと明らかにした。最終損益は6500万ドルの赤字。新型コロナウイルス封じ込めに向けたロックダウン(都市封鎖)がアジアから米国内へと波及し、2-4月を通じて業績を圧迫した。ただ現在では、少なくとも中国において前向きな兆候が出ている。5月の売上高は前年同月比9割伸びた。従来、高級品を海外旅行先で購入していた中国人消費者が、国内でより買い物するようになったためだ。