中国に対する欧州の態度は米国とさほどかけ離れておらず、むしろ米国に近づいている。だが、1つだけ大きな違いがある。強大なライバル国から経済的に距離を置くことは、米国にとって代償の大きい選択肢であるのに対し、欧州にとっては手の届かない選択肢であるということだ。欧州は世界的な金融危機以降、これまで以上に中国市場への依存を強めた。仏高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンのベルナール・アルノー氏は、中国の中間層に高級ハンドバッグを売ることで、米ハイテク業界の富豪に次ぐ財を築いた。独フォルクスワーゲン(VW)はおそらく、中国で利益の半分以上を稼いでいる。国連のデータによると、欧州連合(EU)は昨年、2500億ドル(約26兆8300億円)相当の財を中国に輸出した。これに対し、米国の経済規模はそれよりやや大きいにもかかわらず、中国への財輸出は1070億ドル相当にとどまっている。
米中対立で苦悩する欧州、貫けぬ中国への強腰
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