多くの銀行が一斉に貸し渋りをする場合も多い

 取引銀行が放漫経営などによって自己資本が減った場合は、隣の銀行は貸し渋りをしていないかもしれない。

 しかし、バブルが崩壊した時や、深刻な不況の時などには、多くの銀行の自己資本が一斉に減るため、銀行が一斉に貸し渋りをする場合も多いだろう。

 そうした場合には、取引銀行に貸し渋りをされた借り手が、他の銀行に借りに行っても貸してはもらえないはずだ。

銀行は既存の融資先には甘い面がある

 融資の申し込みを受けた銀行が借り手の信用力を精査するとき、返済能力に疑いがある場合は融資を断るのが原則である。赤字の会社が融資を申し込んできても、銀行は融資を断るはずだ。

 しかし、この原則には大きな例外がある。既存の融資先に関しては、判断が甘い場合があり得るのだ。

 100万円貸してある融資先が赤字になったとする。「100万円貸してください。それで借金を返しますから」と言われた時、銀行が考えることは「融資を断ったら何が起きるのか」である。

 融資を断ったときに、借り手が破産して、持っている設備機械がスクラップ業者にたたき売られてしまったりすると、融資がほとんど回収できないかもしれない。そうした可能性があるのであれば、100万円を融資して、借り手が将来、黒字を回復して、融資を全額返済してくれる可能性に賭けた方がよいという判断をするわけだ。

 そうだとすると、「赤字の会社は、取引銀行が貸し渋りをしなければ引き続き融資が受けられるが、取引銀行から貸し渋りされたら他の銀行からは借りられない」ということになりそうだ。