銀行証券断末魔予告編Photo:gremlin/gettyimages, John Smith/gettyimages

 金融がエリートと称された時代も今は昔となってしまった。

 長引く超低金利の逆風を受けて、銀行業界は断末魔の様相を呈している。中でも地方銀行は、人口減少や資金需要の縮小に見舞われ、収益悪化が著しい。もはや単独では生き残りの道が見いだせない地銀も急速に増えてきている。

 メガバンクも確固たる将来像を示すことができていない。見切りをつけた人材の流出が続き、あえいでいるのが実情だ。その間隙を縫うように、新たな対抗軸を打ち出す新興勢力が出てきた。業界再編の台風の目になろうとしているSBIホールディングスである。

 苦境にあるのは銀行だけではない。株高が続いているのに急にもうからなくなった証券会社、遺伝子検査などテクノロジーの進化に脅かされる保険会社もそうだ。

 金融業界のあちらこちらで不穏な空気が危険水位に達しつつあり、せきを切ろうとしている。本特集「銀行・証券断末魔」では、激変する金融業界の今を読み解く記事を9月17日(火)からお届けする。最終回配信の21日(土)まで全5回の連載を予定している。

その1 9月17日(火)配信
北尾SBI社長激白!大手金融買収?の問いに答えた「大勝負」の真意

銀行証券断末魔その1Photo by Kazutoshi Sumitomo

 SBIホールディングスの北尾吉孝社長が「第4のメガバンク」構想をぶち上げた。北尾氏が描く“金融再編”の青写真は「地方銀行と運命共同体になる」こと。銀行や証券会社が本業不振に追いやられる中、金融業界でにわかに再編機運が高まってきた。

>>記事はこちら

その2 9月18日(水)配信
地銀の「余命」ランキング、17行が本業不振で風前のともしび

銀行証券断末魔その2Photo:tobiasjo/gettyimages

 人口減少や本業不振の深刻化――。「断末魔」という言葉が最もぴったり当てはまるのが、地方銀行だ。独自試算の“余命”ランキングでは、ワースト1位に島根銀行、2位に福邦銀行がランクイン。地域別の就活人気企業ランキングでも、地銀の苦境があぶり出された。

>>記事はこちら

その3 9月19日(木)配信
「付き合いたい・付き合いたくない銀行」2000人大調査

銀行証券断末魔その3Photo by Takahiro Tanoue

「付き合いたい銀行ランキング」では、オンラインに注力する楽天銀行が、メガバンクの三井住友、みずほの両行を上回った。全国の利用者2000人にアンケートを実施し、信頼感や利便性などに関して個別の銀行に対するイメージ調査を行った。

>>記事はこちら

その4 9月20日(金)配信
大手証券が見捨てられる、ビジネスモデル崩壊でリストラ開始

銀行証券断末魔その4Photo: JIJI

 回復の兆しが見えたかのような野村證券。しかし、その回復の原動力は、トップ自ら決別を宣言した株式・投資信託の回転売買モデルへの“先祖返り”ではないか。大手証券のビジネスモデルの転換は進んでいるのだろうか。

>>記事はこちら

その5 9月21日(土)配信
生損保の憂鬱、収益基盤を脅かすテクノロジーの進化

銀行証券断末魔その5Photo:Kwanchai Lerttanapunyaporn/EyeEm/gettyimages, metamorworks/gettyimages

 遺伝子検査による病気の見える化。人工知能(AI)を活用した自動運転の技術革新――。「デジタル破壊」の波は保険業界にも容赦なく押し寄せようとしている。本業がジリ貧に陥りかねない生損保の将来像に迫った。  

>>9月21日(土)配信予定

Banner designed by Noriyo Shinoda