米国最大の都市ニューヨークが新型コロナウイルスに襲われると、州や市などの指導者は想定外の危機に直面した。当局は予兆を見逃したほか、打ち出された政策は住民のリスクを拡大し、失われなくていい命が失われる結果を招いたと多くの医療従事者は指摘する。3月初旬の数日間、アンドリュー・クオモ知事とビル・デブラシオ市長は、状況は落ち着いていると言って市民を安心させた。 3月2日にはデブラシオ市長が、市民は映画を見に行くべきだとツイッターに投稿した。3月初旬に市内の低所得地域が新型ウイルスに襲われて初めて、知事と市長は公立、民間の病院を動員し、病床と集中治療室(ICU)の増設に乗り出した。医療従事者によると、ニューヨークの行政トップや病院の管理部門の主導で慌てて設備を拡張したものの、失敗の連続で危機に拍車をかけたという。