■新刊のご案内
『世界一わかりやすい医療政策の教科書』
津川友介著、定価:本体3000円+税、医学書院 刊
セオリーとエビデンスを備えた医療政策をデザインするために
高齢化社会を迎えた現在、セオリー(学問的な理論)とエビデンスの両方を兼ね備えた“綿密にデザインされた医療政策”がわが国には必要不可欠となっている。本書はハーバード大学の博士課程で学んだ著者が、医療政策・医療経済学に関するセオリーとエビデンスのうち、普遍性があり、日本の医療にも適用できるものを中心に紹介するもの。通読が容易な読みやすい記述で、医療政策学および医療経済学が一通りよく分かる。
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【目次】
1章 医療経済学
1 医療経済学の4つの起源
2 ミクロ経済学の基本
3 なぜ医療に市場原理が通用しないのか?
4 モラルハザード
5 逆選択とリスク選択
6 医療サービスに市場原理が通用しない理由
7 医療費は水準よりも増加率が重要である
8 国の医療費増加の一番の原因は医療技術の進歩
9 医療保険のしくみ
10 医療保険を用いた世界初のランダム化比較試験「ランド医療保険実験」
11 無保険者に対する医療保険の影響を評価したランダム化
比較試験「オレゴン医療保険実験」
12 医療サービスの価値によって自己負担割合が変わる医療保険
「価値に基づく医療保険(VBID)」
13 医師誘発需要
14 プリンシパル・エージェント・モデル
15 医療財源と医療機関への支払い制度
16 製薬産業
17 医師不足問題の考えかた
2章 統計学
1 医療政策と統計学
2 まずは研究の目的をはっきりさせよう
3 因果推論の3つの学派
4 実験と疑似実験
5 回帰分析(線形回帰分析)
6 より高度な回帰分析
3章 政治学
1 医療政策と政治学
2 キングドンのアジェンダ設定と政策の窓
3 経路依存性─過去の歴史が将来を決める
4章 決断科学(費用効果分析)
1 医療政策と決断科学(費用効果分析)
2 費用対効果分析の基本的な考えかた
3 費用対効果分析の注意点
4 オレゴン州の「優先順位リスト」から学べること
5 予防医療だからといって医療費抑制につながるとは限らない
5章 医療経営学(医療の質)
1 医療の質と医療費は「車の両輪」
2 QIを用いて医療の質を測り,改善を目指す
3 医療におけるP4Pのエビデンスは弱い
6章 医療倫理学
1 医療政策と医療倫理学
2 ロールズの正義論
3 健康の格差はどうして問題なのか?
4 健康の自己責任論
5 限りある資源をどのように分配したらよいのか?
6 医師の頭脳流出
7章 医療社会学
1 社会の格差は,健康に悪影響を与える
2 「格差」と「貧困」のどちらが健康に悪いのか?
8章 オバマケアからトランプケアへ──アメリカの医療制度の現状
1 オバマケアとはどんな政策だったのか?
2 オバマケアの制度設計
3 オバマケアへの評価
4 オバマケアからトランプケアへ