写真:安倍晋三首相
記者会見を行う安倍晋三首相(4月17日撮影) Photo:Pool/gettyimages

ノーベル賞受賞者である京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長は、日本の新型コロナウイルス感染拡大が欧米に比べて緩やかな理由があるはずだとして、それを仮に「ファクターX」と呼んでいる。山中氏がその候補の1つとして言及したのが、京都大学大学院の上久保靖彦特定教授と吉備国際大学の高橋淳教授の研究成果だ。ウイルスには最低でも3つの型があり、それぞれの特性や感染経路によって国ごとの感染者数や致死率の違いを説明しようという「新説」だ。実は、この新説はすさまじい政治的破壊力を秘めている。その理由を解説しよう。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

安倍首相が誇った「日本モデル」
しかし世界は「日本の謎」と評価

 安倍晋三政権は、5月25日に「緊急事態宣言」を全国で解除した。安倍首相は記者会見で「まさに『日本モデル』の力を示した」と力強く述べた。

 また、「日本の感染症への対応は世界において卓越した模範であると、(アントニオ・)グテーレス国連事務総長が評価してくれた」「日本は、人口当たりの感染者数や死亡者数を、G7、主要先進国の中でも圧倒的に少なく抑え込むことができている。私たちの取り組みは確実に成果を挙げており、世界の期待と注目を集めている」と自信満々に述べて、日本の新型コロナウイルス対策の成功を誇った。

 しかし、安倍政権の支持率は低調だ。毎日新聞の最新世論調査で支持率27%、不支持率64%と報じられるなど、過去最低の水準に低迷している。検察庁法改正案が国民の厳しい批判を浴びたとはいえ、支持率低下の要因はそれだけではない。安倍政権の新型コロナウイルス対策に対する国民からの評価は高くない。