新型コロナウイルスの感染拡大で影響を受けた業種や分野といえば、世間一般では観光や飲食を想像するであろう。しかし、6月に発表された4月分の家計調査の結果を見れば、意外な実態が見えてくる。政府の支援策もまだまだ不十分であることは明らかだ。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)
消費減少が大きい品目は?
一般的には観光や飲食が思い浮かぶが…
6月5日に、「家計調査(二人以上の世帯)2020年(令和2年)4月分」の結果が公表された。本年4月の2人以上の世帯の消費支出(実質)は、前年同月比でマイナス11.1%、前月比でマイナス6.2%と、大幅減となった。これは、前年同月比では消費税増税の影響が色濃く出た昨年10月の結果を大きく超え、前月比ではそれに次ぐ、驚愕の数値となった。
これについては、「大幅減」との報道はなされたものの、現下の経済状況がある種当たり前になってしまったからか、それほど注目はされなかったようであるし、その詳細な中身にまで踏み込んだ分析は、専門誌などを除いて行われていないようである。
しかし、詳細かつ専門的な分析を待つまでもなく、家計調査を所管する総務省の公表資料を読むだけで、今の日本経済の実情、新型コロナショックがどのような影響を与えているのかがある程度見えてくる。