サポーター第一でJリーグに反発

 リモートマッチの開催において、Jリーグはホームクラブが管理する場合に限り、スポンサー看板やバナー、そして段ボールで作製されるサポーターなどの企画物をスタジアムの内外に掲出・設置することを許可している。一方でファン・サポーターによる横断幕の掲出を「制作・受け渡し時などにおける感染防止の観点から、クラブが預かって掲出する場合を含めて行わない」とガイドラインで定めた。

 これに反対するスタンスを鮮明に打ち出したのもレッズだった。一律禁止の合意に至るまでに開催された各種会議で最後まで反対を主張したことを明かした上で、15日付でJリーグの原博実副理事長宛てに「せめて統一ルールではなく、各クラブの判断とするべきだと考えます」と伝える文書を提出した。その中には感染リスクを軽減させるための、さまざまな工夫も明記されていた。

 レッズのホームにおけるリモートマッチは、現状ではマリノス戦だけにとどまる。ただ、1試合だけとはいえ三位一体を尊重したいからこそ、立花社長が「ファン・サポーターの命」と位置づける横断幕の掲出を求めた。議論を尽くした上でガイドラインでも明文化された禁止事項としながらも、Jリーグの村井満チェアマンもレッズの主張に対して一定の理解を示している。

「今後第二波、第三波が来た時には恐らく新たなリモートマッチの必要性に迫られる可能性もあるので、新型コロナウイルスを取り巻く状況が一定程度終息した段階で、クラブを思うファン・サポーターの気持ちにはしっかりと耳を傾けていきたいと考えています」

 昨年の4月及び5月に比べて40%以上の売り上げ増を示している、EC(電子商取引)によるグッズ販売へのさらなる注力。クラブからさまざまなサービスを提供できるクラウドファンディングの実施など収入を増やし、赤字額を減らせる施策を可能な限り打ち出していくと立花社長は明かした。

 再開が決まった直後のタイミングでの、唐突に感じられた赤字転落の公表。Jリーグを代表するクラブの一つゆえに衝撃を与えたが、そこには立花社長をして「浦和レッズの未来のために、この状況下でファミリーが一つになる」と言わしめた、不退転の覚悟と決意が凝縮されていた。