実際、「タイは勝つ」は当初、利用者が商業施設の利用48時間から到着前の間にサイトで事前登録して出かけるものと発表された。だが、タイ人や在住外国人から個人情報を差し出すことに疑問の声が上がり、店舗側が登録し、発行されたQRコードに客がアクセスするシステムとして始まった経緯がある。

 タイ政府は、国民の足取りを監視するものではないと繰り返しアナウンスするが、国民の不信感を払しょくしきれてはいない。

 2つ目は、システムがスマートフォンやタブレットなどの端末所有を前提にしていること。

 そもそも子どもや高齢者の多くはスマホを持っていないし、スマホなどを持っている人でも、「タイは勝つ」の使い方がわからない人も少なくない。

 政府は苦肉の策として、入り口などに帳簿を置き、氏名と電話番号を書かせることで対処した。

 しかし、商業施設の男性係員が、好みの女性客が帳簿に書いた電話番号を見て、連絡するといったトラブルが続発し、帳簿に対して批判が集まっている。

 あるタイ人女性はコンビニエンスストアで帳簿に記入をしたところ、その日のうちにその店の男性店員から食事の誘いがあったと憤慨する。数分程度の買い物にわざわざ「タイは勝つ」を使うことはないと考えたことが裏目に出た。