「投資では長期・分散・低コストが大事」だという考え方が個人投資家にも広まりつつある。ただ、その「答え」だけを覚えただけで思考停止に陥ってしまうと、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがある。なぜ「長期・分散・低コスト」が大事なのか、理由をあらためて解説しよう。(株式会社生活設計塾クルー ファイナンシャルプランナー 深田晶恵)
「インデックスファンドがいい」と
答えだけ覚えておくことの弊害
個人投資家サイドに立って発言をするマネーの専門家のほとんどは、投資信託で資産運用をするなら「長期・分散・低コスト」が原則と語る。これは、「手数料が安く、分散投資の利いた投資信託を、長期投資のスタンスで投資をするといい」という意味だ。
金融庁も、つみたてNISA(少額投資非課税制度)の対象投資信託を「手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適したもの」としている。投資をする上でのスタンダードな考え方といえる。
勤務先で確定拠出年金(DC)制度が導入されたり、iDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISAを始めたいと思ったりした。そんなことがきっかけで、インターネットの記事や単行本を読み、インデックス型の投資信託で投資デビューをした人も多いことだろう。インデックス型の投資信託を勧める専門家は、「長期・分散・低コスト」をベースの考え方にしている。